妊婦さんのための歯科 ~広がる予防の輪~
最近定着してきた「マタニティー歯科」という言葉ご存知ですか?
妊婦さんと生まれてくる可愛いお子様のための歯科医療のことです。
痛くなってから行く歯医者さんではなく、妊娠期のお身体のことや、お子様の虫歯予防も含めて様々な点から妊婦さんをアドバイスし、お手伝いします。
産婦人科の検診は、1ヶ月で終わりますが、お口の中のプロ「歯医者さん」とは一生のお付き合いになります。
親なら誰もが望む、子供の「虫歯ゼロ」「正しいお口の成長」
これらを達成できるように、少しでもお役に立てればと思います。
マイナス1歳から3歳までが大事です!
綺麗な歯は両親からのかけがえのない贈り物
マイナス1歳からの虫歯予防
つまりお子さんの生まれる前、マイナス1歳と我々は表現します。虫歯ゼロを達成するためには、お子様が生まれる前からやるべき事はたくさんあります。
お母様のお口の健康 ~母子感染を防ごう~
生まれたてのお子様の口の中には虫歯菌は存在しません。
多くは、お母様や周囲の方の唾液を介して少しずつ感染します。ですから、お子様と一番接するお母様のお口の中が健康であることが大切です。
FAQマタニティ歯科
- 妊娠中は治療できますか?
- 一般的には、つわりの終わった妊娠4ヶ月から7ヶ月の安定期に行うことが多いです。局所麻酔も使用できます。虫歯の治療をしっかり終えておくことにより、虫歯菌の母子感染のリスクが軽減します。出産後は、子育てでなかなか時間がとれないことが予想されます。安定期にしっかり治しましょう。
- レントゲンは胎児に影響を与えないでしょうか?
- 顎顔面領域と胎児の生殖腺部は離れているため、直接放射線が放射されることはまずありません。従って、妊娠していても胎児には影響ないと考えられています。しかし、気にされる方に無理に撮影することはありません。
- 唾液検査は必要ですか?
- 必ず必要とは限りませんが、ご自身のリスクを把握するために唾液検査や細菌検査を行う事は、非常に有益だと考えます。
- 妊娠後、歯茎が腫れやすいのですが?
- 妊娠中はホルモンバランスの変化や唾液量の減少、免疫力の低下が起こります。これらの状況を好む歯周病菌が増えることにより、妊娠中は歯肉炎になりやすくなります。きちんとしたプラークコントロールができていないと、ひどい歯肉炎になるので歯科医院でのクリーニングは必須です。
その他にも…
歯周病は早産のリスクを高めます
歯周病による血中のサイトカインの濃度上昇によって子宮が収縮を促進して早産を引き起こすと言われています。つまり、歯周病の予防をすれば早産の発生を減少する可能性があります。またこれは、低体重児出産にも同様のことが言えます。